63歳男性社長の棚からぼたもちバイト。

グラフィックデザーナーとして銀座の制作プロダクションに入社し数年の経験を積み、34歳の時に自分の制作会社を持ちました。現在は既にリタイアしておりますが、社長であるのにも関わらず心ならずも副業という形で収入を得たことがあります。そのお話を2つばかりしましょう。私も周囲関係者には知られた存在になっていたので、知り合いから仕事上の助言を求められることがままあります。例えばこんな依頼がありました。ある日知人の紹介で直接は面識がなかった会社の人から、「2ヶ月かけたパンフレットのデザインがクライアントの社長が気に入らず、NGが出てた」というものでした。先方には事務所に来てもらいそのデザインを見たところ。可愛らしいイラストなどが使われた楽しく出来上がったデザインスケッチでした。少し話を聞くとマンションオーナー企業が、居住者向けに投資を進める内容のパンフレットでした。それでは一般受けするものではなくもっとフォーマルで高級感のあるスタイルがいいのではとアドバイスしたところ、クライアントの社長から一発OKが出たと連絡があり、15分のアドバイスにも関わらず8万円いただきました。もう一件ご紹介します。知り合いのプロダクションからの相談でした。500ページの大型カタログの新規受注の打ち合わせがあるが、手強い相手で自社には対等に話ができる人間がいないので助けて欲しいと言われ、その会議に出席しました。先方は大手印刷会社企画部の人間が3名と著名な京都のアートディレクターでした。その人は今回の仕事のためにわざわざ東京に招聘され、帝国ホテルに半年間宿泊するというのです。もちろん費用はその印刷会社の負担です。その会社のデザインは決して優れたものではなかったのですが、デザイン、コピースタッフの他に、写真部と自社スタジがあります。その組織力か買われたのでしょう、仕事が決まればこれから半年、その京都のディレクターの配下となり、ガムシャラに働くことになるのです。会議位は2時間ほどで終わりましたが、なかなか充実した内容でした。そして仕事が決まりました。私はその場でお役御免でしたが、ギャランティとして25万円いただきました。時給12万5千円ですね。こんな副業が時々あります。ただ積極的に商売にしようとは考えなかったので、ギャランティは相手次第。中には半日講義を行って、中華料理をいただいただけなんてこともあります。もう少し商売っ気を出せばよかったかなとも思っていますが、会社で働いている社員には少し後ろめたさも感じました。私としてはボランティアのつもりでしたが…。